リウマチと高分子量ヒアルロン酸
日本整形外科学会より
リウマチと高分子量ヒアルロン酸
第30回 日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。
本日、ご紹介するのは、この演題です。
題名 :高分子ヒアルロン酸はToll like receptor 4によるRANKL発現亢進を、CD44を介して抑制する
発表者 :渡部達生先生(名古屋大学)等
ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が連結している物質で、高分子量の物質です。整形外科領域では、変形した関節の中に注入する治療に使われています。
ヒアルロン酸は連結している量で、分子量を変えることができます。
分子量が変わると、効果も変わると言われています。
RANKLは骨を破壊する細胞が作られる時にかかわる物質で、この物質を抑えることができれば、リウマチなどで関節の骨が変形することができます。
この発表では、高分子ヒアルロン酸がRANKLを抑える可能性が示されていて、高分子ヒアルロン酸の治療が、骨の破壊を抑えてくれる可能性を示してくれています。
リウマチの方は、骨の変形が強く出てしまうため、骨を変形させない方法はとても重要になります。
ヒアルロン酸という比較的身近な物質に、骨を変形させない効果があるのは、とても有意義なことだと思います。