第30回　日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。

本日、ご紹介するのは、この演題です。

題名　：自己治癒能力を引き出す再生促進型腱（無細胞化ウシ腱）を用いたラット前十字靭帯再建実験による再生評価

発表者　：伊藤匡史先生（東京女子医科大学）等

膝の前十字靭帯は、切れてしまうと作り直さなくてはいけない靭帯です。

縫い合わせる訳にもいかず、自分自身の組織や人工素材を使って、靭帯を作り直す必要があります。

前十字靭帯断裂はバスケットボールやサッカーなど、膝に負担のかかりスポーツで起こりやすく、復帰にも時間のかかるケガですし、より良い治療法が常に探し続けられてきました。

この演題では、靭帯を作り直す時に使える靭帯として、加工した牛の靭帯を使っています。

靭帯の中から細胞を取り除くことで、拒絶反応を起こさないような加工をするそうです。

加工の方法としては、マイクロ波、拍動循環、界面活性剤などを応用するそうで、早稲田大学で開発されたそうです。

動物の組織から、完全に細胞を取り除くことができ、拒絶反応を起こさないで治療の応用できるのであれば、色々な組織、例えば半月板などにも応用できるかもしれません。

細胞をなくす方法に、とても興味深さを感じた演題です。