半月板断裂の手術をしても意味がない?
ひざが痛い原因
半月板断裂の手術をしても意味がない?
半月板損傷に対して関節鏡手術を行っても意味がないのかもしれません。
膝の中でクッションとスタビライザーとして働く半月板ですが、スポーツなど膝への負担で傷つくことがあります。
半月板は血管が乏しく、縁1/3にしか血管がありません。
そのため、傷ができた場所によっては自然治癒を望めず、半月板を部分的に取り除く手術を行うことが多くありました。
一般的に、半月板の部分的に取り除くときには、関節鏡という関節の中を見る小さなカメラ越しに手術を行います。
その関節鏡で行う半月板を部分的に取り除く手術の効果がないというショッキングな論文がNew England Journal of Medicineという世界的に有名な医学雑誌に載りました。
手術をした人と手術をしていない人とを1年後に比較したとき、膝の症状に差がないという論文でした。
手術を受けても受けなくても、膝の症状が変わらないとも言えます。
症状が変わらないのであれば、手術を受けたいと思う人はいないと思います。
とはいえ、半月板損傷に対する治療の選択肢は少ないです。
ヒアルロン酸注射は、半月板損傷に対する保険での治療は行えませんので、保険で受けられる治療は、半月板の部分切除ぐらいです。
半月板の治療へは、もう一歩踏み込んで、自己修復力の活性化が必須なのではないかと思っています。
参考論文
◆雑誌『N Engl J Med 2013; 369:2515-2524.』
◆題名/Arthroscopic Partial Meniscectomy versus Sham Surgery for a Degenerative Meniscal Tear.
◆著者/Raine S, et al.