既存の薬を使って、軟骨細胞を元気づける方法
日本整形外科学会より
既存の薬を使って、軟骨細胞を元気づける方法
第30回 日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。
本日、ご紹介するのは、この演題です。
題名 :軟骨細胞におけるSOX9発現を促進させる既存薬の検索
発表者 :長谷川幸先生(名古屋大学)等
SOX9は軟骨細胞が増えたり、軟骨細胞に変化するときに働く転写因子です。
転写因子とは、遺伝子の読み取る作業をコントロールする物質のことで、2000種類以上あると言われています。
SOX9が多く作られるような薬を見つけることができれば、軟骨細胞が増えたり、幹細胞が軟骨細胞になり、ダメージを受けた軟骨を修復してくれる可能性がでてきます。
そんな効果がある薬がないか、今までに世の中に出ている薬から探そうという研究が、この演題の内容になります。
これはdrug repositioningと呼ばれる考え方になります。
すでに世の中で使われている薬であれば、ある程度の安全性は確認されており、すぐに使えるようになる可能性あります。
この演題では、薬の名前までは出ていませんでしたが、SOX9が多く作られ、軟骨のタンパク質が作られたことが確認されたようです。
似たような研究が沢山行なわれているので、近い将来、変形性膝関節症の治療法は、爆発的に増えるかもしれません。