痛みと脳
日本整形外科学会より
痛みと脳
第30回 日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。
本日、ご紹介するのは、この演題です。
題名 :慢性腰痛患者の脳イメージング
発表者 :関口美穂先生(福島医大)等
痛みは難しい感覚です。
「熱い」「冷たい」などと違って、痛みは感覚だけでなく、「怖い」「不安」「不快感」などの感情も同時に起こるため、複雑な感覚だと言われています。
その痛みについて、fMRI(ファンクショナルMRI)という装置を使うことで、徐々に評価ができるようになってきました。
この発表では、慢性の腰痛患者さんの脳をfMRIで計測し、後帯状皮質(PCC)という部分がどのように活動しているかを調べています。
PCCは負の感情が起こると活性化すると言われている場所です。
この場所が活動していると、負の感情が起こっている可能性があると考えます。
慢性腰痛の患者さんでは、PCCが活発に活動していることが観測できたそうです。
その他、側坐核での機能、Nアセチルアスパラギン酸(NAA)測定などについても検証をされたようです。
外から見て分からないことが、装置を使って分かるようになれば、より効果の高い治療を探していくことができると思います。
脳は、まだまだ未知の領域が多いので、研究を進むことを願うばかりです。