静脈注射で軟骨治療
日本整形外科学会より
静脈注射で軟骨治療
第30回 日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。
本日、ご紹介するのは、この演題です。
題名 :ウサギ全層軟骨損傷に対するG-CSF全身投与の影響
発表者 :佐々木俊秀先生(千葉大学)等
今回の演題も、前回ご紹介した骨髄刺激法に関連した演題です。
骨髄刺激法の治療効果を上げるために、G-CSFという物質を応用できないかという取り組みです。
G-CSFは抗がん剤治療の合併症として起きた貧血や白血球数に低下に対して使われる薬として使われています。
以前より、G-CSFが血液中の末梢血幹細胞数を増やすと言われていて、その効果との組み合わせを評価した内容になっていました。
結果として、G-CSFを使った方が、軟骨修復の質を向上させる可能性があるとのことです。
ただし、短期的な効果だったようです。
G-CSFが体の中にある内は効果が出るものの、なくなってしまうと効果がなくなってしまったということなのでしょうか。
人が元々持っている能力を活用する治療法ですので、工夫をすることで、さらに高い効果が期待できるかもしれません。