RNA干渉で変形性膝関節症治療
ひざ痛クリニック情報
RNA干渉で変形性膝関節症治療
第30回 日本整形外科学会基礎学術集会から、興味深い題材を紹介しています。
本日、ご紹介するのは、この演題です。
題名 :MMP13、ADAMTS5に対するsiRNA膝関節内注入による変形性膝関節症抑制効果の検討
発表者 :星裕子先生(千葉大学)等
siRNAは短い二本鎖RNAで、一時的に遺伝子の発現を抑える効果のあるRNAです。
2006年のノーベル生理学医学賞を取った、RNA干渉という理論に使われるRNAになります。
このsiRNAを使って、変形性膝関節症の発症や進行を抑制できないかという研究が、この演題の内容になります。
変形性膝関節症では、軟骨を分解する酵素が影響を与えます。
この酵素が作られるのを、siRNAを使って抑制することができれば、変形性膝関節症の発症や進行を抑制することができる可能性が高くなります。
しかもsiRNAでは直接、関節の中に注入することができるため、合併症を軽減させられるとのことです。
今回の内容では、少なくとも初期の変形性膝関節症に対しては、一定の効果が認められています。
変形性膝関節症の治療は、再生医療的なアプローチだけでなく、本当に多種多様なアプローチが出てきています。